チャイナ・ウィルス

東京、大阪、京都、兵庫の4都府県を対象にした新型コロナウイルスの緊急事態宣言は、今回で3度目!正直言って辟易している方も多いのではないですか。もともと日本には、世界で当たり前の「非常事態宣言(戒厳令)」が、法律上、存在していないため、個人に対して強制力のある行動制限はできません。このため日本では「緊急事態宣言」にとどまっています。  

日本で「感染第4波」とマスコミが騒いでいるのですが、人口当たりの感染率を世界で比較すると、元厚生労働省技官の木村盛世氏は「さざ波」レベルだと指摘しています。わかりますか!?『さ・ざ・な・み』レベル!!因みに、厚労省に限らず、キャリア官僚はゼネラリストしかおらず、技術的なことや数字は全く!全くわかっていないのが日本の官僚システムで、数字は技官が担います。実際のところ今の日本は、ワクチン接種が進んで収束しつつある英国と同程度の水準です。この意味で、日本の「緊急事態宣言」は、世界からは奇妙に見えるはずです。今回も個人に対して強制力はありませんが、その分、飲食店や商業施設、イベントなどの事業者にしわ寄せがいっています。休業要請するなら補償措置は当然でしょ。グローバル・ダイニングが小池さんを訴えましたが、どんどん訴えればいいんです。必ず勝訴しますから。

2020年度補正予算では、資金使途自由の地方創生臨時交付金を地方自治体に約4兆5000億円計上しましたが、ほかにも事業者に対する協力金を地方自治体から給付するため、予備費(協力要請推進枠等)として約3兆3000億円も計上してあります。21年度予算でも、予備費に5兆円計上されているので、当面地方自治体が休業補償するには困らないのです。さらに必要なら、今年度も補正予算を組むことができます。東京都は他の地方自治体とは異なり、財政余力がたっぷりあるので、独自に休業補償を行えばいいだけです。

それにしても、新型コロナでのマスコミのあおりはひどいものです。東日本大震災なども含め、マスコミは『人の不幸が飯のタネ』。日本のワクチン接種が遅れている理由は「厚生労働省が副反応の責任を取りたくなくて及び腰だったから」とか、「この状況では東京五輪どころでない」といったミスリードで、国民の社会を見る眼を歪めています。日本のワクチン接種率は世界の中でも低い理由は、日本の感染率が低いから。ただ、それだけです。感染の度合いを加味して順位を出すと世界の中で平均的になります。ワクチンの供給は、原則として感染がひどい国・地域から行われています。データ入手可能な世界84カ国で、日本は71位と下位ではあるものの、感染の度合いを加味すれば、日本は45位です。感染が少ないのに、人口の多い日本がワクチンを大量に集めたら、世界から批判を受けてしまうでしょう。一刻も早くワクチンを確保してもらいたいのが人情ですが、カネにものを言わせず、ワクチン格差に加担しないのは、奥ゆかしい日本らしいスタンスとの見方も世界ではされている事すら報道されていません。メディアがワクチンの副反応をあおっておいて、「厚労省が及び腰」というのは、まさにあおり商売の典型です。それを言うなら、マスコミがワクチン副反応をあおったために、日本では集団接種ができなくなって、今回自治体にノウハウがなく困っていると正確に伝えるべきなのです。国際オリンピック委員会のバッハ会長が、日本の緊急事態宣言は、感染拡大予防のための措置で五輪の開催に関係ないと言ったのは、事実、その通りだからです。