時事
今月、中国で全人代が開催されます。全人代とは日本でいうところの国会で、事前に(ということはすでに今)合議内容は幹部によって決まっていて、決まり事を全国から集まった共産党役員が予定調和する場です。通常は2月に開催される全人代が中共ウイルスによって延期されていました。
アメリカを筆頭に中国への厳しい目が向けられる中での開催ですが、そんな話は無かったもののように開催されるはずで、各国の対応が一段と厳しさを増すでしょう。
米中貿易戦争の真っただ中ですが、ここで一つ、確認しておきたい事柄があります。
貿易の黒字、赤字というのは、単に輸出入の差でしかありません。貿易が赤字であっても何も問題はないのです。日本のマスコミがバカなせいもあるでしょうが、個々の理解がされていない方が多く、前提が間違っていますから米中貿易戦争の意味が理解できていません。
かつて日本もアメリカにターゲットにされ、日米貿易紛争が起き、日本の貿易黒字を叩かれまくりましたが、日本からの輸出がアメリカからの輸入より多かっただけのことですから、当時の通産省や大蔵省、政治家が、はっきり貿易黒字は無意味だと説明すればよかったのですが、結果的に日本はバブルも弾けケチョンケチョンにやられました。
日本からの輸出が多いといっても、その輸出物を輸入する米企業、流通する米企業、販売する米企業の利益になるのですから、輸入物がアメリカに着いてからは全てアメリカの利益になります。同じように、アメリカが輸出する物は、通関に入るまでがアメリカの利益になります。ですから、言葉の上では「貿易黒字」、「貿易赤字」と「黒と赤」がついているので「黒字」が良く「赤字」が悪いような印象を受けますが、実体経済では流通の末端になればなるほど利益が大きいので、実は「貿易赤字」の方が儲かっているのです。すべての国に貿易赤字だとマズいのですが、2国間に限れば日米貿易が赤字であったアメリカの方が大きな利益を上げていました。
今の米中貿易も同じで、アメリカ側は、そういった一般国民の認知バイアスを利用して中国の貿易黒字は問題だ!ダンピングしている!!と吹っ掛けているのです。わかりやすく言えば、一般国民が無知ゆえに、その無知を利用してアメリカ政府は中国を懲らしめてるぞ!というゼスチャーをしているということです。
当然、アメリカ政府も貿易赤字に意味がないことくらいわかっています。貿易赤字が問題なら、アメリカは40年来、日本や中国に貿易赤字なのですから、国家がおかしくなっていることになりますが、相変わらずアメリカが世界で一番儲け、世界一のGDPを誇っています。
要するに、米中貿易戦争の視点は、貿易黒字の背景にある中国国営企業への圧力だということを知ってください。中国の国営企業の大手100社のうち、すべての国営企業のトップが共産党の幹部の親族です。そこに政府の補助金や融資が入り資本体系が歪になることでガバナンスは崩れ、安売りして赤字が出ても国家が補填するので他国より優位な価格競争を行えます。また、経費は使い放題ですから他国から企業秘密や特許を盗み対価を払うことも厭いませんし、他国の要人を買収することも日常茶飯事です。アメリカが攻撃しているところはここであり、貿易が増えた減ったは無知な国民に対するアピールでしかないということを踏まえてニュースを見れば、中国がアメリカの農作物を買うだとかいう話が見せかけの話だということも分かります。
中共ウイルスで世界中が疲弊する中、アメリカはかつてない規模の国債を発行していますが、アメリカの経済指標は傷んでいませんし金利も上がっていません。マスコミが言うよな話なら、ドルが暴落し米国債はデフォルト危機になるはずですが、実際はドルは堅調です。
アメリカがドルを刷り倒すことで他国も通貨発行できる余地が生まれ、発行した通貨で自国債を買えば余剰資金がプールできるというシステムを理解しましょう。日本が100兆円の国債をマイナス金利で新規発行し、日銀が新規発行した紙幣で100兆円買えば、政府の国庫に100兆円のキャッシュが入ります。さらに、マイナス金利ですから金利の逆ザヤ分も日銀から入るのです(約0,02%ですから200億円!)。マスコミの論調だとインフレになるはずですが、日本は再びデフレになりました(笑)。計算式はややこしいのですが、現状であれば300兆円くらい新規に国債を日銀が引き受けても全くインフレに針が振れることはありません。また、1000兆円の国債が1300兆円になったところで、「今も」、「将来も」何一つ問題はないのです。
300兆円国債発行して日銀に買わせ600億円の利益を政府が獲らずにいるということは、その時点で600億円の無駄遣いと同じだということです。無能な政府をを責めるなら、こういうことを理路整然と言えばいいのであって、モリカケや花見など、どーでもいいはした金です。
下記は本田先生のツイッターです。ボクと同じようなことを仰っています。
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