時事
昨日、高橋教授のコラムを載せましたが、日経が3万円を超えたことに対し、マスコミの報道は、2020年は、新型コロナの影響で、完全失業者数は前年に比べ29万人、休業者数は80万人増加と、経済が悪かったことが前面に出ています。株価は実態経済と株価が乖離していて、この株高はバブルではないのか、株高の要因は、日銀が低金利を続けていることと、日銀が株へ投資しているからだと頭の悪い記事しか見受けられません。結局、マスコミにいるのは頭の悪い連中ばかりで、単純な論調でマスコミは冷ややかに株高を見ているようです。標準的なファイナンス論は日本ではあまり大学でやっていません。ファイナンス論はほぼ数学と同じなので、日本の文系経済学部では教授、学生ともに理解できないのでしょう。経済学部が文系という意味不明な日本の大学のシステムそのものに問題があります。経済学部、商学部は「理系」です。 いずれにしても、標準的なフィアナンス論では、確率解析以前の話で、株価は将来収益の現在価値の総和で決まるとされています。もちろん、この単純な定式化をベースとして、実戦的で様々な応用バージョンがあり、それぞれで優劣を競っているのですが、単純な基本形でも、今の株価について、マスコミが言っている解説が的外れであることくらいは言えます。 株価が将来収益の現在価値の総和になるということは、「将来収益/金利」が大きな要素になります。この辺りは事業経営者なら肌身で分かるはずです。これを定性的にいえば、将来収益予想が高まったり、金利が低くなると、株価が上がるわけです。 まず、日銀が低金利を継続しているというのはその通りですが、金利はイールドカーブコントロールなので、ここ1年くらいあまり変動していません。今の株高は昨年10月あたりから始まっているので、金利引き下げによるものではありません。 株価をきちんと式で理解していれば、金利が変わらないので、金利要因は排除できるはずですが、文系マスコミの悲しいところで、式が理解できない、肌感がないから、ロジカルな議論もできません。 左派が批判する、日銀が株式を購入しているという話はどうかというと、昨年3月にETF購入枠を6兆円から12兆円へと拡大しました。しかし、3月と10月の間はどうだったのか、説明できてません。 しかも、購入枠は6兆円増です。株式市場全体の時価総額は700兆円ですが、その1%にも満たない額なので、それが大きな影響を与えているという専門家や記者はバカなんです。定量的な議論が苦手な文系マスコミは根拠のないことを大げさに話します。 まったく驚く株高ではない 基本に返って、株価が将来収益/金利で決まるとして、金利要因でないとすれば、将来収益予想の高まりがしっくりくるのはわかろうもんです。 将来収益といっても、半年から1年以内の将来予想を取り込んで、株価は決まることが多いので、現在のコロナ不況は1年以内に収束するとマーケットは踏んでいるということです。
まず、これまでの日米の株価の推移を見ると。
この図を見れば、日本の株価は、バブル崩壊後、10年余の長い調整局面が続き、2000年代はじめから、やっとアメリカと同じ歩調で上がりだした。こうした中、他の先進国よりコロナの落ち込みが少なければ、それなりに株高になるのは不思議な現象ではないでしょ。 経済を2019年10-12月第四四半期と昨2020年10-12月第四四半期で比較すると、新型コロナ対応により大きく影響を受けた各国の動向と現状が見えます。
財政支出の多寡と行動制限の強弱で、経済落ち込みがほとんど説明できます。つまり、財政支出が大きいほど、行動制限が緩いほど、経済落ち込みが少ないのは経済学以前の肌感の問題です。
日本は、先進国中で、経済落ち込みがトップクラスで少なかった国です。株価が上がらない理由はないのです。今年の後半の経済を見通すと、世界中で新型コロナワクチンが徐々に行き渡り、行動制限は緩くなるでしょう。
となると、スタートダッシュで、財政支出の多さで有利になった日本とその他の先進国も同じように、経済拡大のメリットが出てくるはずです。 今の株高を昨年10月前に読んでいた投資家が、半年から1年先の将来を「買って」、その読みが当たって、今の株高になっているのだと想像できます。
日経新聞をはじめとするマスコミが株や投資で儲けたって聞いたことがありますか?そんなことができるなら今のようなアホ丸出しの記事は書かないはずです。
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