時事
下記は時事通信の記事です。イラン情勢がひっ迫する中での安倍総理のイラン訪問は、日本のマスコミでは重要な扱いがされていませんが、海外では大きく報道されています。日本のマスコミが反安倍なのはいいとしても、平和ボケで何が重要かわかっていない故に国民に知るべき情報が伝えられていない未熟さが表れている事例です。
安倍首相が森元首相と会食=解散への言及なし
時事通信社
2019/06/22
安倍晋三首相は22日、東京・銀座のステーキ店で森喜朗元首相らと会食した。同席者によると、両氏は参院選情勢などについて意見を交わし、衆院解散や衆参同日選への言及はなかったという。
首相と森氏は、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた準備や20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)について情報交換。首相のイラン訪問も話題に上り、首相は「西側の首脳の中で(最高指導者の)ハメネイ師に会えたのは自分だけだ」と「成果」を誇示した。
一方、左巻きのニューズウィークでの報道は違います。NWは安倍批判が多いのですが、報道すべきことは報道しています。イランとアメリカとの因縁は米ソ冷戦に遡り、安倍総理が行ったから事が解決などありません。今回のイラン行は、トランプ大統領訪日の一週間前にイラン外相が訪日して安倍総理に依頼したものです。イランから見れば、窓口を安倍総理に託した格好になり、それを安倍総理がトランプ大統領に確認しイラン訪問になったのです。日本は中東で戦争もしてませんし植民地支配もしていませんが、第二次大戦のときはイスラム圏のインドネシア独立に寄与したとイスラム諸国では思われていますから、先進国の中では一番ニュートラルな立場なのです。その立場をようやく行使できる総理大臣が現れたことに欧米は感嘆し、日本のマスコミは意味すら分からないという寒い状況です。
安倍首相はイラン訪問で日本の国益と国際社会の安定のために勇気を示した
2019年06月17日(月)
<単なる「子供の使い」ではない。米・イラン間の緊張緩和は実現できなかったが、日米関係強化と日本の影響力拡大という成果はあった>
アメリカとイランとの緊張緩和を目指し、6月12~14日にイランを訪問した安倍晋三首相をどう評価すべきなのか。無駄足に終わった「子供の使い」か、世界の安定のためにあえてリスクを取った一流の政治家か。
私見では、安倍は日本の国益と国際社会の安定のために、侮られたり笑いものになることを恐れない勇気を示した。
最高指導者ハメネイ師とイラン政府の考えはともかく、少なくともイランの一部勢力は安倍の訪問に合わせてペルシャ湾で2隻のタンカーを攻撃した。ただし、そこに込められたメッセージは、安倍ではなくトランプ米大統領に向けられたものだ。
イランは中東で注意深く計算された攻撃を仕掛けているように見える。その目的は、イランに対する制裁と圧力を強めるアメリカの政策は世界経済と地域の安定に悪影響を及ぼす、とアピールすることだ。
アメリカが5月に制裁を強化する前のイランは日量約100万バレルの原油を輸出していたが、その後は半分に激減した。1カ月前には、何者かがペルシャ湾でタンカーなど4隻の商船を攻撃。5月14日には、イランの影響下にあるイエメンのシーア派武装組織ホーシー派がサウジアラビアの石油関連施設をドローン(無人機)で襲撃。そして今回のタンカー攻撃だ。
国際秩序の崩壊に抗して
アメリカは全てイランの仕業だと主張するが、イラン側はもちろん関与を否定している。一連の事件の背景として、考えられるシナリオは2つある。まず、イラン政府が嘘をつきながら、裏で事件を通じた自国の主張のアピールを狙っているケース。もう1つはイランの体制内強硬派、おそらくイラン革命防衛隊が穏健派の融和的な取り組みを邪魔しているケースだ。
安倍のイラン訪問は、激変する国際秩序の大きな潮流と同時に、より短期的な安倍の狙いも浮き彫りにした。まず、安倍は訪問前にトランプと入念に打ち合わせをしたとされる。
そうだとすれば、イランへの圧力強化を通じて中東でイランの振る舞いを根本的に変えようとするアメリカと、圧力がこのまま続けばアメリカと地域全体に代償を支払わせると明言するイランの仲介に安倍が失敗したとしても、この訪問は日米関係強化に役立ったことになる。
日本がイランとアメリカに及ぼせる影響力はごく限定的だ。それでも安倍は、失敗外交の批判と引き換えに日米関係の強化に成功した。この訪問で影響力が低下したわけではないし、日本の国際的役割は大きくなった。私の見るところ、明らかな成功だ。
第2に、安倍の訪問はアメリカが加速させている国際秩序の継続的崩壊を浮き彫りにするものでもある。国際社会に一貫性と責任感のある指導者が不在の今、安倍はその空白を埋める存在になりつつある。イラン訪問の目的は達成できなかったが、安倍が無秩序と混乱に向かおうとする国際政治の流れを止めようとした点は評価できる。
第3に、安倍の訪問は日本の国際的役割を第二次大戦後で最大レベルに高めようとする安倍自身の強い意志の表れでもある。現在の国際政治の潮流を考えれば、それは間違いなく日本の利益になる。世界の利益になることもほぼ確実だろう。
ある意味で安倍の動きは、アメリカによる2003年のイラク侵攻前にフランスのシラク大統領が取った行動とよく似ている。シラクはイラク侵攻に反対したが、止めることはできなかった。
それでも、フランスが当時のブッシュ米大統領の言いなりになっていたら、事態はさらに悪化していたはずだ。個々の取り組みが失敗に終わったとしても、原理原則を貫くことには十分な意味がある。
安倍は対米協調を維持しながら米・イランの対立緩和を目指し、一方でアメリカの一貫性欠如と中国の台頭によって生じた国際政治の空白を埋めようとしている。この政策は長期的に見て、日本と国際秩序の利益になる。一部の評論家による酷評は、その代償だ。
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