時事

下記はRCEP締結にまつわる朝日新聞の記事です。

2013年から始まったRCEP交渉ですが、TPPやEPAに比べ主たる条約条件が貿易に主眼を置かれているために先進性はなく、また、中国が入っているので締結したところで約束事が守られる見込みがありません。逆に、対中貿易赤字を抱える国にとっては、中国に利する条件だとの批判もありますし、今後のインドの成長を考えると、インドが加われば条約締結、インドが加わらなければ見送りするのが賢明です。日本ではトランプ政権ばかりが保護貿易で時代に逆行しているように報道されていますが、アメリカは共和党も民主党も自国ファーストに傾いていますし、EUではドイツやフランスなどの主要国以外は政権が保護主義を叫んでいる現状を考えれば、時代は行き過ぎたグローバル経済からの転換期と見るほうが正しく、安全保障を主眼としない包括貿易協定は時代錯誤に見えてきます。





RCEP、インドが撤退表明 15カ国で発足めざす

11/4(月) 23:19配信朝日新聞デジタル

 日中韓やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する自由貿易圏構想「東アジア地域包括的経済連携(RCEP(アールセップ))」の首脳会合が4日夜、タイ・バンコク近郊で開かれた。インド外務省のビジェイ・シン局長は会合後の記者会見で、「インド政府は首脳会合でRCEPに参加しない決定を伝えた」と述べ、交渉から撤退する考えを明らかにした。

 首脳会合では、目標としてきた年内の最終的な妥結を断念した上で、インドを除く15カ国が来年の署名をめざして作業に入ることで合意した。このままインド抜きの協定となる可能性が高まってきた。

 交渉が始まった2013年以降、16カ国での発足をめざしていたが、巨額の対中貿易赤字を抱えるインドは、関税の引き下げや撤廃に難色を示してきた。中国製品がさらに流入し、国内産業が打撃を受ける恐れがあるためだ。

 シン局長は会見で、「インドにとって重要な懸念が解決されていない。モディ首相は(RCEP参加による)国民生活に与える多大な影響を重視した」と語った。記者からの「来年ではなく、今後入らないという意味か」との質問には、「参加国に対してRCEPには今後入らないとすでに伝えた」と答えた。会見後には、朝日新聞の取材に対し、中国側との交渉を打ち切る方針を示した。

朝日新聞社