時事

導入寸前で見送りとなった文科省の英語民間検定試験は「CEES」といいます。

かきはNHKのニュースで、CEESに導入にあたっての識者会議の議事録を文科省が公表しないことへの批判記事です。

英語民間試験延期 文科省 課題繰り返し指摘も公開せず

2019年11月6日 5時03分NHK

来年4月からの実施が、急きょ延期された英語の民間試験。その理由となった「地域格差」などの課題は、文部科学省が去年12月から非公開で行っていた会議でも、繰り返し指摘されていたことがわかりました。文部科学省は、その議論の詳細を明らかにしておらず、専門家は、「検証のためにも公開すべきだ」と指摘しています。

英語の民間試験は、来年4月から実施される予定でしたが、受験生などからの反対や、萩生田大臣の「身の丈に合わせて」という発言に批判が集まり、文部科学省は今月1日に、急きょ延期を決めました。

今後は、民間試験の制度上の問題点を国がこれまでどのように議論してきたのかが、焦点の1つとなっています。

文部科学省は去年12月から、こうした問題を話し合うため、非公開の有識者会議を複数回、開いていました。

このなかでは、出席した複数の専門家から、受験料が高額すぎるので、下げるべきだという意見や、地域格差がないように配慮すべきという意見が繰り返し出されていたことが関係者への取材で分かりました。

文部科学省は「詳しい内容は非公開で、議事録も作成していないので、詳細なコメントはできない」としています。

入試制度に詳しい、東北大学大学院教育学研究科の柴山直教授は「議事録が公開されなければ、国は結論ありきで進めていたと疑われてもしかたない。委員からの懸念をどうしてくみあげなかったのか疑問が残り、同じことが起きる可能性がある。問題点を、丁寧に検証するプロセスが求められている」と指摘しています。


そして下記は朝日新聞の記事で、CEESに文科省から二人の官僚が天下りしているという記事ですが、氏名の公表も無いずさんな記事です。

英語試験法人に天下り 旧文部省次官ら2人

 衆院予算委員会は六日、安倍晋三首相と関係閣僚が出席して集中審議を行った。二〇二〇年度の大学入学共通テストへの導入が延期された英語民間検定試験に関し、実施団体の一つベネッセの関連法人に旧文部省、文部科学省から二人が再就職していたことが明らかになった。野党は、英語民間試験導入の背景に官民癒着があるのではないかと追及した。

 関連法人は、ベネッセと共同で英語検定試験を実施している一般財団法人・進学基準研究機構。法人はベネッセ東京本部と所在地が同じ。文科省の伯井美徳高等教育局長は予算委で、旧文部省の事務次官経験者が同法人に再就職し、十月一日まで理事長を務めていたことを明らかにした。国立大学の事務局長を務めた文科省退職者も同日まで参与を務めていたと述べた。

 立憲民主党の大串博志氏は「(民間試験導入が)民間に利益が及ぶ形で考えられているのではないか。疑念を呼ぶこと自体が大きな問題だ」と批判した。

 萩生田光一文科相は共通テストの国語と数学の記述式問題については、予定通り導入する考えを示した。立民の川内博史氏が採点者に学生アルバイトも想定されるのかをただしたのに対し、萩生田氏は「さまざまな属性の方が含まれる」と否定しなかった。


しかし、CEESのHPを見ると文科省元事務次官の佐藤氏、財務省元事務次官の丹呉氏の二人が理事長と理事で名前を連ねています

新聞社はなぜ氏名を公表しないのですかね。佐藤氏も丹呉氏も文科省と財務省の大物官僚です。CEESの英語民間試験問題では、政治家が果たす役割は全体の大きな方向だけで、実際の詳細制度設計は文科省官僚がやります。そのときに天下りを意識すると大きなシステムになりがちになり、それで管理不能になったというのが真実でしょう。国立大への天下りはこれ以上無理っぽいので、文科省は私学まで広げたいというのが宿願で、ロリコンの前川元事務次官なんて、かなり私学への天下り斡旋していました。2017年は組織的天下りで次官辞任、2018年は幹部汚職で次官辞任、2019年は英語民間試験延期で誰が辞任? 文科省は三年連続不祥事とはすさまじい話ですから、文科省の解体・再生をしなければ根腐りしたままになります。