時事
下記は、大学通信常務取締役の安田賢治のコラムです。孔子学院の日本の総本山の一つ、早稲田大学の記事です。コラムでは文系学部も数学を必須にし、受験は共通テストで篩にかけるとなっていますが、早稲田の文系の教授陣を見ると数学の「す」の字もできそうにない方ばかりですが、いったい、どうやって学生に教えるつもりでしょうか?従来から数学必須であった東大の経済ですら、数学からほど遠く、文学のような言葉遊びの経済学を教え世界の常識から乖離していますから、早稲田では無理でしょ。経済学で立身する気のある学生は、そういう教授のいる大学へ向かいます。早稲田にしろ東大にしろ、もうブランドで勝負できる時代ではないことに気が付いていないうちは、これからも下降線をたどると思います。同じことがアメリカでも起きていて、ポリコレやリベラルに嫌気のさした学生は、ハーバードなどのアイビーリーグを避け、新進気鋭の学者の元へ走っていて、アイビーリーグはますます、左巻きの巣窟になっています。
早稲田大に志願者離れの懸念 まるで国公立のような入試に
2020.11.9
今年度から大学入試改革が行われるが、それよりも来年入試に大きな影響を与えたのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。
今年まで実施されたセンター試験は2回実施だったが、来年から始まるセンター試験の後継の共通テストは第一日程、第二日程、特例追試の3回実施になった。コロナ禍によって、高校などが3か月近く休業していたこともあって学業遅れが生じ、その生徒の救済のために第二日程が設けられたのだ。
◆共通テスト志願者「浪人生大幅減」の背景
すでに共通テストの出願は締め切られている。出願期間終了後の志願者総数は53万5244人で、昨年のセンター試験と比べると2万2455人、4.0%減だった。この減少はセンター試験時代を含めて過去最大の減少だ。
内訳を見てみると、現役生はマイナス2446人で0.5%減、浪人生はマイナス2万9人で19.0%減。現役生は少子化の影響での減少とみられるが、浪人生が大きく減少している。2021年度からの大学入試改革を警戒し、2020年度中に合格を勝ち取った受験生が多かったために、浪人生自体が減少したと見られる。
文部科学省が7月、高校生にどの日程の共通テストを受けるかの意向調査を行ったところ、第一日程は43万1000人、第二日程は3万2000人が受検すると表明。約1割が第二日程を受ける予定だった。
しかし、ふたを開けてみると、第一日程志願者は53万1118人に対し、第二日程の志願者はわずか789人だった。第二日程志望者の割合は全体の0.1%に過ぎず、結局は元のスケジュール通りで支障はなかったということになる。
大学入試改革の目玉だった共通テストでは、民間英語試験の成績活用、数学と国語の記述式問題の出題などが目玉だった。各大学ともこの成績を活用し、入試が大きく変わるはずだった。しかし、この二つは昨年暮れに実施が見送られ、結果的にセンター試験とほとんど変わらなくなった。
◆数学必須で早稲田・政経学部は志願者大幅減も?
ただ、この改革にあわせて、私立大で入試改革を実施する大手大学も出てきた。その1校が早稲田大学だ。
政治経済、国際教養、スポーツ科学の3学部の一般選抜で、共通テストを受けていないと受験できない方式になった。つまり来年から国公立大のような入試になる。
特に私立文系の最難関といわれる政治経済学部は、共通テストの成績(英語、国語、数学I・A、選択科目の4教科4科目)と大学独自試験の成績で合否判定する方式を導入する。
注目は共通テストでは数学が課されることだ。オーソドックスな英語、国語、地歴の私立大3教科型の受験生が受けられなくなる。数学を課すのは入学後、数学が必須科目になっているため、入試で課すことになったという。AIの発達、ビッグデータの活用など、数学の力は文系、理系に関係なく今後、求められていきそうだ。
ただ、有名大の文系学部の入試で、数学を必須にするのは画期的なことだ。かつては慶應義塾大学などで必須にしていたが、今は大手大学で一部の方式を除いて実施しているところはない。文系学部では数学は選択科目が定番だ。多くの受験生は「数学が苦手」を理由に文系を選んでいる。
もちろん、国公立大文系志望者には関係ないので、この改革によって難関国立大文系の併願者は受けやすくなる。それでも大学独自試験対策が必要なため、早稲田の政治経済学部の志願者はどうなるかは不透明だ。最悪の場合は、今年の入試で数学を選択した4割程度にまで減る可能性もある。
他にも共通テストの成績だけで合否を決める方式を実施する。また、国際教養学部は共通テスト2科目と大学独自の英語の試験と共通テストのみの試験、スポーツ科学部は共通テスト3方式で合否を判定する。この他でも商学部は併願できないが1方式だった試験を3方式で実施する。
このように早稲田大は入試改革に積極的だ。特に来年入試では共通テストの重みが増していくことになる。
また、コロナ禍によって2月の入試で新型コロナウイルスに感染したり、濃厚接触者になったりしたら入試を受けることはできない。文科省はその受験生が不利にならないよう3月に追試を実施することを推奨している。東大も追試を実施予定だが、早稲田大の追試は全学部、共通テストの成績で合否を判定するとしている。
◆共通テストに参加せず個性貫く慶應
1990年に共通一次試験に代わって初めてセンター試験が実施された。この時から私立大はセンター試験を利用できるようになったが、早稲田大は当初、利用しなかった。最初に利用したのは1999年の法学部だった。
一方、私学の雄の慶應義塾大は、センター試験に初年度から参加した。私立大はわずか16校しか参加しなかったが、その1校だったのだ。また、1990年に日本で初めてAO入試を実施したのも慶應だった。ところが、慶應義塾大は2012年にセンター試験から撤退し、今回の共通テストにも参加していない。
共通テストとセンター試験実施時の早慶の対応が180度、異なっている。平成に始まったセンター試験に最初から積極的に参加した慶應義塾大、令和に始まる共通テストに最初から積極的に参加する早稲田大と両極端の対応だ。
慶應はいま流行りの民間英語試験を一般選抜に活用することもなく、従来の方式のままだ。それが逆に大学の個性になっている。
来年入試は安全志向が強まり、難関大は敬遠されると見られているが、その中で早慶両校の志願者数がどうなるのか、大きな注目が集まりそうだ。
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