about NFL

NFLはリーグ・チャンピオンシップが終わり、残すところ2月のスーパー・ボウルのみとなりました。勝ち上がってきたのは、シーズン前の下馬評通りのKCと激動のタンパです。シーズン前にトム・ブレディがNEを退団しタンパへ移籍。続いて引退していたブレディの相棒のグロンコウスキーがタンパで復帰。挙句の果ては、2シーズンどこのチームにも属していなかったアントニオ・ブラウンがブレディと同居しながらタンパに復帰という、チームの主体がコロッと変わったタンパへの評価は微妙でした。シーズンが始まり数試合、タンパは良かったり悪かったり、ゲーム毎のチーム状況が目まぐるしく変化し、チームの進む道筋が見えてこないように見えました。ブレディもNEの時と違い、TDした選手に駆け寄り抱擁したりと、いったい、どうするつもりなんだろうと首をかしげていたのですが、シーズン半ば、どのゲームかは忘れましたがゲーム中にブレディが激怒し、まずはセンターを含むオフェンスラインマン達、つぎにWRと矢継ぎ早に怒鳴り散らす映像が映っていました。これこそブレディです。シーズン終盤に向け順調にチーム力を増しプレーオフを決め、負けると予想されていたニューオリンズを退けると、今期、過去最高の出来を見せるアーロン・ロジャース率いるグリンベイを撃破。とうとう移籍1年目でスーパー・ボウルへの切符を手に入れました。グリンベイに勝ったタンパの選手は泣いている者もおり、19年ぶりのSBにタンパも湧いています。

ボクは、ブレディが嫌いでした。憎っくき好敵手です。以前ファンだったボルチモアとブレディのNEは同リーグですから必ずチャンピオンシップで激突します。勝ったも同然だったゲームを落としたこともあります。今、応援するシアトルも、勝ちゲームだったスーパー・ボウルで最後のワンプレーで退けられました。ドラフト6位という無名の選手で身体能力に劣り特徴のない選手だったブレディは、エースQBの負傷で出場機会を手に入れ、その年にSBウィナーとなり、現在、10回目のSBに挑みます。過去、6個のSBリングを持つ史上最強のQBは、栄光のままNEで引退することなく、全くチームカラーの違うタンパベイへ移籍。ビル・ベルチックHCと全く性格の違うブルース・エリアンスHCの下、素質に溢れた若い選手たちとともにチーム再建にかかり、見事にSBへの切符を手に入れた過程を見ると、やはり史上最高のQBだと認めないわけにはいきません。見事、あっぱれです。勝利への執念、それをチームに実践させる真にチームリーダーたる姿は、ボクが見てきた50年ほどのNFLの歴代名QBの中でも群を抜いています。

とは言え、SBで雌雄を決するKCは昨年のSBチャンピオン。今年はディフェンスも改善され昨年より強くなっていますから、下馬評では勝ち目ナシ(笑)。しかし、ブレディは下馬評など全く気にしてないでしょうし、勝つことしか考えてないでしょう。応援するチームが出ないSBが楽しみなのは初めてじゃないでしょうか。スーパー・ボウルが待ち遠しいです。

神宮社中

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