時事
下記は共同通信の記事です。
麻生さんが「衆議院の解散は関係ない」と言っているのは、解散は総理の専権事項故に「俺には関係ない」という事です(笑)。
20日に公表された今年1~3月期実質国内総生産(GDP)速報値は、一見いい数値のようですが中身は最悪です。いずれも年率で消費が0・3%減、設備投資が1・2%減、輸出が9・4%減、輸入が17・2%減でした。一方で公共投資が6・2%増、住宅投資が4・5%増となっっています。 GDPを計算する上で、輸入の「減少」は成長要因になるので、消費、設備投資、輸出の減少を、輸入の減少と公共投資、住宅投資の増加で補った形でした。輸入は、消費とともに、所得(GDP)に理論上連動します。目先の計算では、輸入減によりGDPがかさ上げされましたが、これは一時的な話で、傾向としては民需による所得が低下傾向にあるとプロは見ます。その中で、年度末の公共投資増加により、全体のGDPをかさ上げし、プラスに持っていった数字だと読み取ることができます。
茂木敏充経済財政相は、「内需の増加傾向は崩れていない」と述べ、10月の消費税率引き上げは予定通り実施すると明言しました。たしかに、公共部門を含む「内需」ではプラスですが、前述したように、「民需」は惨憺たる状況です。「外需」は政府も認めるようにさらに悪く、それこそ、安倍総理がこれまで言及してきた「リーマン・ショック級」なのでしょう。今回のGDP速報結果はプラス成長となりましたが、安倍政権が消費増税を見送る際には、ある意味で好都合でもあります。選挙対策として増税見送りは好材料に見えますが、野党からは「アベノミクス失敗」という攻撃材料にもなりえません。しかし、「リーマン・ショック級」の事態により、外需の先行きが不安という理由であるならば、内需に責任を持つアベノミクスの失敗ではなく、不可抗力の世界経済変動によるものだと判断されます。経済的な説明はともかく、これで少なくとも政治的には野党の攻撃を避けられるはずです。そして、世界経済が悪くなるとき、日本だけが進んで増税することもない、という一般常識にもかなっています。
逆に言うと、今回のGDP速報を受けて、これで景気は大丈夫だとして、10月の消費増税に突っ込んだら、世界の笑いものになるでしょう。特に、世界経済を話し合う20カ国・地域(G20)首脳会議を前にして、日本だけ増税しますと言えば、6月30日以降に実施される参院選(または衆参ダブル選)において、野党から猛烈な攻撃を受け、よとうはもちません。もし、10月に消費増税したら、年率換算で約6兆円の税収増になりますが、その分、可処分所得が失われ、消費性向を6割とすれば、単純な乗数理論により9兆円程度、GDPの2%弱の減少要因となります。もちろん経済対策が施されているので、直ちにGDP減少はあり得ないのですが、経済対策は絆創膏を貼るだけですから対策が切れると、さらなるショックが来るとみたほうがいいでしょう。具体的には20年7月の東京五輪までの影響は出にくいでしょうが、それ以降、ボディーブローのように悪影響が出てくるのは経済学で予想できますし、米中紛争の如何、または日本が原油を買っているイラン動静によっては、『日本初のリーマン級の不景気』に突入する恐れもあります。
麻生財務相「GDP悪くない」
予算執行で景気回復と強調
2019/5/21
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麻生太郎財務相は21日の閣議後記者会見で、20日公表された1~3月期国内総生産(GDP)速報値について「2四半期連続のプラスで決して悪くはない」と述べた。2019年度予算の執行が今後進むとし「景気は良くなると判断する」と強調した。
米中貿易摩擦を一因とした中国経済の減速で日本の輸出は停滞しているが、中国で経済対策が打ち出されており「短期的には悪くない」と指摘。日本経済についても雇用や企業収益は高水準を維持していると語った。
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