時事
中国経済の原資は海外からの資本と技術なのは経済大国となった現在も変わりありません。パンダ・ハガーの識者は、すでに中国は技術大国でいずれアメリカ経済を抜くといいますがバカげた話です。
アメリカは現在の米中紛争だけではなく、今後数十年に渡り中国を叩き続けるでしょうから、今までのように人から盗んだ技術を使い、人の金で経済を回すことは困難になっていきます。
下記はWSJのコラムで、中国から資本逃避が続いているという当たり前のことが書かれています。ボクが合弁会社をやってた頃も今も、中国から資本を引き揚げるのは容易ではありませんが、今の米中紛争の中で経済活動をするほうが困難が付きまといますから、損切りできるめどが立てば、いずれの企業も撤退します。中国に義理や情は発生せず、儲かるから進出しただけであり、それが無くなれば一刻も早く撤退したいと誰もが思うほど不条理に満ちています。
中国からの資本逃避、「裏口」で加速化の兆し
表面上は政府が流出を食い止めているが、実態は
2019 年 10 月 15 日 10:20 JST
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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中国人が「バックドア(裏口)を通り抜ける」と言えば、ルールを何とかして回避するという意味だ。それは多くの場合、賄賂や個人的なコネを暗示している。
中国政府は2016年以降、国外に向かう投資やその他の資本移動に対して厳しい規制を実施し、効果を上げてきた。つまり、フロントドア(表口)に鍵をかけ、資金流出を食い止めてきた。だが、最近の人民元相場の急落を受け、裏口の圧力が高まっている証拠が顕著となりつつある。
元の対ドル相場は4月以降で6%近く、2018年中盤以降で10%下落した。仮に裏口がこれ以上大きく開けば――もしくは貿易・投資による資金流入が何らかの理由で枯渇すれば――、政府はパニックを避けるため、再び外貨準備を大量に売ることを余儀なくされるかもしれない。中国の通貨の要塞(ようさい)にひびが入ることへの懸念が、積極的な金融刺激策に政府が慎重になっているもう一つの理由とみられる。
これに関連するデータがある。中国の国際収支(BOP)における「誤差脱漏」の項目だ。この数字は貿易・投資の流れを記録したBOPでは説明のつかない部分を表す。言い換えると、記録に残ることなく、何らかの形で中国の国境を越えて移動した資本の額ということだ。
大半の国々では、この項目は比較的少額にとどまる。だが中国では2014年以降、大幅なマイナス額を計上するという謎めいた状態が続いている。2014年は10年間続いた対ドルでの元の上昇相場が終わった年だ。調査会社ローディアム・グループなど各社のアナリストはかねて、この項目が水面下の資本逃避を表すのではないかと疑ってきた。
最近、この傾向がさらに目立つようになった。2019年には上半期として過去最高の1310億ドル(約14兆1900億円)を記録。これは直近で大きな資金流出が起きた2015~16年の上半期の平均額800億ドルを大きく上回っている。国際金融協会(IIF)のジーン・マー氏はこう指摘する。
このことが示すのは何か。数年前に策定された資本逃避を制限する措置は一見すると効果的だが、中国は依然として非公式ルートでの資金流出拡大に対して脆弱(ぜいじゃく)だということだ。そして同国が(元相場が大きく落ち込んだ8月初旬を含む)7-9月期の数字を発表するのはこれからだ。
通貨が貿易戦争から受ける圧力の一部を受け入れることは、今のところ中国の主要なサバイバル戦略となっている。だが中国が築いた堤防の影で様子をうかがう大量の資本が新たな隙間を見つける兆候が次第にはっきりすれば――そして制御不能な国内食料価格の上昇というリスクが加われば――、この戦略は一段と危ういものに見えてくる。
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