時事

人道的、平和主義、環境などリベラルな発言が多いナイキというスポーツメーカーの実態は下記の記事にある通りです。今どうかわかりませんが、以前は東南アジアで植民地的雇用で叩かれまくったナイキの企業体質は、言動を改めたところで変わらず、こういう圧力的手法は多くの左巻き組織に見られる現象と一致しています。

正直、昔からナイキが嫌いです(笑)。高校2年の時のアメリカ遠征で、大手のスポーツ用遺品店でスパイクをオーダーしようとしたところ、ナイキの社員の横柄な態度に嫌気がさしてスポットビルドでオーダーしました。バスケが強い印象があったナイキが本格的にアメリカンフットボール市場に出てきた時で、目新しさから惹かれたのですが、押し付けばかりでオーダーする意味のない販売でした。仲間と「こいつらバスケの頭の悪い連中相手にしてるから」とバカにしたものです(こちらもバカなんですが(笑))。



ナイキ運営チームが潰した「アメリカで一番足が速い少女」

Don’t Run From the Problem

2019年12月03日(火)16時55分

シャノン・パラス

<男性中心の指導現場の認識不足で、女子陸上選手を無月経に追い込む理不尽な特訓が横行>

「アメリカで一番足が速い少女」だったメアリー・ケインがナイキ・オレゴン・プロジェクトに加わったのは大学1年のとき。同プロジェクトはナイキが陸上中長距離の選手育成のため本社のあるオレゴン州に設立した精鋭チームだ。

ヘッドコーチのアルべルト・サラザールは当時「世界一有名なトラック競技のコーチ」だったと、ケインはニュ ーヨーク・タイムズのウェブサイトで公開された動画で語っている。サラザールもケインの素質にほれ込み、「『君はこれまでに私が見た中で最も才能のある選手だ』と言ってくれた」という。動画でケインは、このパートナーシップが破綻した経緯を語っている。

ナイキのシューズの売り込み文句は、選手の走りをしっかりとサポートし、個々の選手に合ったカスタマイズが可能、というもの。ナイキの精鋭チームもこのコンセプトどおり、個々の選手に合わせたオーダーメイドの育成を行っていると思うかもしれない。だがケインの強化プログラムは、彼女の身体特性を無視したものだった。「男性ばかりのナイキのスタッフは記録を上げたいなら減量しろと私を追い込んだ。もっと、もっと、もっと痩せろ、と」

サラザールに目標体重を「恣意的に」設定され、ケインは記録そっちのけで体重を気にするようになった。3年間も月経がない状態が続き、エストロゲン不足で骨がもろくなり5ヶ所骨折した。「感情的、肉体的な虐待だった」と、彼女は動画で訴えている。

サラザールはその後ドーピングへの関与で資格停止となり、今年10月にオレゴン・プロジェクトは閉鎖。ケインの告発については調査を行うと、11月初めに発表した。だがケインを苦しめた問題はそれで片付いたわけではない。

体が軽いと好記録が?

多くの女性ランナーが無理な減量を強いられ無月経に悩んでいる。男性中心の指導現場では女性の身体的な特徴が十分に認識されていないためだ。元長距離選手のティナ・ミューアは長年無月経が続き、結婚後も妊娠できないことに不安を感じて、引退した。「周囲には無月経の選手が大勢いたけど、表立っては問題にされなかった」

無月経は不妊だけでなく、心臓や血管の病気や骨粗鬆症のリスクも高めるが、陸上界では無月経を厳しい練習に耐えた証しとみる風潮がある。

女子選手に無理な減量を強いる慣行の背景には、2つの誤った思い込みがある。1つは走り込めば痩せるのが当然だという考え。実際は、選手の強化のためには走って燃焼したカロリーの大半をきちんと食べて補うことが重要だ。

加えて「体重が軽ければ、速く走れる」という誤った通念もある。人体には単純な運動力学は当てはまらない。極端な食事制限で心理的なストレスがたまれば、競技パフォーマンスは低下するだろう。

無理な減量は無月経ばかりか、摂食障害や醜形恐怖症を招くこともある。こうした弊害をなくすためにも、指導現場に女性コーチが増えることが望ましい。ケインも今、指導者として選手の育成に当たっている。彼女はスポーツ界に戻った動機をこう語った。

「なんのために走るのかじっくり考えてみた。そして子供の頃の自分を取り戻したの。走るのが大好きで、チャレンジを楽しんでいた自分を」