時事
昨日の続き。
昨日のデータをグラフにしたものです。
景気動向指数を見ても、前回は増税前1年間は上昇基調で平均100.3、消費増税時は100.8と腰折れする形になってます。しかし今回は、増税1年前は下降基調で平均100.3、消費増税時は94.8と、景気の下振れをダメ押ししてしまってます。
今回の消費増税に際しては、前回2014年4月のように景気が悪化するという予測が多く、無責任な旧民主党の野党は自分たちが決めた消費税増税反対してましたが、そういうプロセスは別にして増税が間違っているのは当然です。前回と異なるのは、現下の国際経済環境が最悪に近いということです。繰り返し書いてきましたが、(1)米中貿易戦争、(2)ブレグジット、(3)ホルムズ海峡の緊張、(4)日韓紛争と問題が山積しています。
(1)については、来年11月の米大統領選までの完全解決は無理!。そもそもこれは貿易問題ではなく、安全保障の絡む米中の覇権争いですから、対中政策については議会民主党も賛成するため、トランプ大統領も後退は許されませんし、問題化すればするほど大統領選にも有利になります。最近では、人権という要素も加わり、香港問題、ウイグル問題でも揺さぶっています。西側諸国からみれば、あのトランプ大統領が人権について中国を諭すなど滑稽と映るのでしょうが、香港人権法はすでに米議会の多数が賛成しているので署名となり、ウイグルについても同様の法案ですが、成立も時間の問題です。
(2)のブレグジットは、いよいよ正念場に近づいてきました。雌雄を決する英国総選挙は12月12日。保守党が勝利すれば、英国のEU離脱が来月にも決まります。労働党が勝利するか、どの政党も過半数に達しなければ、状況はさらに混迷し、離脱でも英国経済は悪くなるでしょうが、結論がはっきりしなければさらに悪くなります。どっちにしても、欧州経済にとってはいい話では何一つありません。
(3)のホルムズ海峡は、アメリカとロシアがエネルギー輸出国になり、「多少の混乱があっても、エネルギー価格が高くなるのは歓迎」という中、音頭を取る国がなく、いつ紛争が起きても不思議ではない状況です。日本は、イランとの友好関係があるため有志連合には加わりませんが、といっても自国だけで船舶を護衛できる力はありません。万が一ホルムズ海峡で紛争が起きたら、日本は世界で一番被害を受ける国になり、日本のエネルギー価格は暴騰します(それでもマスコミの視点は桜を見る会)。
(4)日韓関係も依然として不透明なままで、韓国が土壇場でGSOMIAを延長したことで、首の皮一枚で日米韓の連携は維持できたものの、日韓、米韓はギクシャクしています。当然韓国経済への影響は大きく、日本への打撃は小さいものの、韓国が危機に陥れば無関係とはいきませんし、日韓関係のほころびをねらって、北朝鮮はミサイルを連射しています。年内にも、人工衛星と称して弾道ミサイルを打ち上げる可能性が高く、米朝関係も、首脳会談は不可能な状態で、アメリカが軍事オプションをちらつかせていた2年前の状況に戻りつつありますし、米韓関係が悪化すればするほど、アメリカは軍事オプションを行使する可能性が高まります。
明日に続く
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