時事

世界経済の2020年の成長率は3.3%と予測されていますが、これは2%台まで落ちるでしょう。中国のサプライチェーンが切れる異常事態なので、打撃は深刻で日本も例外ではありません。

中国から輸出される部品の多くは重要部品ではありませんが、それでも入手できないと、各種の工程で支障が出てくると予想されます。

サプライチェーンは企業秘密もあり目に見えにくいのですが、観光客数の減少ははっきりとわかります。この騒ぎ以降、新宿で閑散としており、つい1ヵ月前には中国からの団体客でごった返していたのに、今はまったく人がいません。

来週17日には、2019年10-12月期GDP速報(1次速報)が公表されます。これは、新型肺炎の影響はまったく受けない時期のものですが、10月からの消費増税のために、年率でマイナス4%程度の落ち込みになるでしょう。2020年1−3月期GDP速報は5月中旬に発表されますが、消費増税での落ち込みに新型肺炎が追い打ちをかけ、かなりの悪影響が出てきます。

観光面などでも年率マイナス0.2%程度の落ち込みが加わり、さらにサプライチェーンの切断の影響が加われば、日本経済にはかなりの打撃になるだろうことは容易に想像されます。

新型肺炎による一時的なビジネス不況に際して、緊急融資や厚めの資金供給を行い、資金繰りの手助けが最低限度必要ですが、それでも、消費増税による景気の落ち込みの後なので、業界、特定の地域によっては厳しい展開になるかもしれません。

これで世界経済が大恐慌に向かうとは思いませんが、日本はすでに消費増税で経済が弱体化していることを考慮し、5月中には2020年度補正予算を出して万全の対応をしなければいけない時期に、野党は相変わらず日本の足を引っ張る愚行を重ねています。