時事

下記はWSJの記事です。アメリカが対中強硬に出ている背景に、中国が医薬品等の輸出規制を変更してアメリカへの輸出を止めているという事実があります。いじめられた仕返しです(笑)。



中国の新輸出規制、医療物資の対米輸出の妨げに

2020 年 4 月 17 日 00:24 JST

 米国が新型コロナウイルス対策で必要とするマスクや検査キットなどの医療物資を巡り、中国が新たに導入した輸出規制により、米企業による対米出荷が阻害されている。複数の企業や米外交筋の情報で明らかになった。

 一部のサプライヤーや仲介業者によると、防護具をはじめとする大量の医療物資が通関手続きを受けられず、中国全土の倉庫に積み上がっている。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した米国務省の文書によると、医療機器メーカーの米パーキンエルマーは、新規制で義務付けられた認定がないため、蘇州市の工場から新型コロナ検査キット140万個を出荷できずにいる。

 別の文書によると、上海の副市長は米複合企業3M( スリーエム )に対し、同市が「新型コロナ防御策でスリーエムが現地で生産するN95マスクに依存しており、実現可能な代替案はない」と通達。同社製マスクの流通に関する規制撤回には中央政府の指示を要すると示唆した。

 パーキンエルマーは、検査キットの認可を求めて中国政府と協力していると述べた。スリーエムは、中国から出荷された製品を受け取ったとし、さらなる調整に取り組んでいるが、通常に比べ利用できる輸送機は少ないと述べている。

 新規制は今月導入された。中国当局は規制について、輸出向け医療品の品質確保や、国内で必要とされる物資が国外へ出荷されるのを防ぐ狙いがあると説明している。

 国務省は今週に入り配布した文書の一つで、中国の政策は「世界の新型コロナ対策に医療品が最も必要とされるさなか、その既存サプライチェーン(供給網)を混乱させた」としている。国務省からコメントは得られていない。



そしてアメリカは、対ロシアと同等の防衛予算を対中国に設ける法案を整備しています。ロシアとアメリカ、更に辿ればソ連とアメリカは長い対立と同時に、長い対立ゆえに互いにわかっているところがあり、かつてのキューバ危機のような一発即発という状況は生まれにくくなっていますが、中国とは相互理解ができておらず、ましてや人民解放軍はレベルが低いので暴発することが世界各地でありますから、いつ、どこで米中で戦うか予想がつきにくい状況です。



米軍の資源をアジアに、対中強硬派が国防総省に圧力

By Gordon Lubold

2020 年 4 月 17 日 05:34 JST

 【ワシントン】米議会で中国に対抗するため、米軍の資源をアジアへとシフトさせるべきとの見解がここにきて支持を集めている。米インド太平洋軍に年間60億ドル(約6500億円)以上を投じるよう、国防総省に義務づける法案の成立を目指す動きも出てきた。

 米国では、ロシアに対抗するため、米欧州軍に特化した「欧州抑止イニシアチブ(EDI)」と呼ばれる予算が振り向けられている。議会の対中強硬派の間では、少なくともロシア向けと同等の資金や資源を対中戦略においても確保すべきだとの声があり、足元の立法化の動きもEDIを踏襲することを目指している。

 国防総省は過去7年に、ロシアの封じ込めに300億ドル(約3兆2000億円)近くをつぎ込む一方、マーク・エスパー国防長官は昨年、アジア太平洋地域は「優先の戦域」との認識を示している。

 法案の策定者であるマック・ソーンベリー下院議員(共和、テキサス州)は、アジア太平洋が優先の戦域なら、資金もそこに振り向ける必要があると述べる。同氏は16日に法案を提出する予定。

 ソーンベリー氏の提案では、資金の名称を「インド太平洋抑止イニシアチブ」とし、インド太平洋軍の予算水準を正式に決める内容となっている。これには、ミサイル防衛や諜報活動、監視、偵察、武器弾薬、新規インフラ、同盟国との共同訓練などが含まれる。

 米国の国防戦略では、台頭する中国は世界的な競争相手であり、一段の軍事能力で対抗すべきと定めている。それにもかかわらず、国防総省はインド太平洋軍に特化した予算を振り向ける意欲、または能力がないとして議員の間では不満が高まっており、こうした法制化の動きを促している。