時事
トランプ政権が一丸となって中国の頬をドツキまくっています(笑)。通常、アメリカの交渉は「いい役、悪い役」に分かれ、相手を翻弄させながら落としどころを探るのですが、下記の2つの記事を見ればわかる通り、これは最早「交渉」ではなく「最後通知」に等しいものです。しかも、政権だけでなく議会の共和党、民主党も団結している状況は、中国にとって最悪の状況で、「ほら、手出してみ!ほら、ほら」と中国の頬を叩き続け中国がプッツンするのを待ち構えているように見えます。
しかし、日本のマスコミは報道しませんねえ。もうテレビや新聞は必要ないと諦めたらどうでしょう。真実を報道できない三面企業だと自覚してください。斜陽産業ですからロクな人材がいません。
コラム:米上院「対中制裁法案」で団結、一段と高まる危機
Gina Chon
[サンフランシスコ 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米上院による中国への圧力が新たな水準に達している。26日に広まった超党派法案は、中国が香港に対する新たな制限を導入すれば中国の政府当局者や銀行に制裁を科す内容となっている。両国間の緊張は既に高まっており、同法案は緊張をさらに数段階引き上げることになりそうだ。
中国に対する怒りは、通常分裂している米議会を団結させている。上院の法案は香港国家安全法の施行に責任を持つ個人の米国における不動産資産を凍結するものとなっている。過去の法案と異なり、当局者と大きなビジネスを手掛ける中国の銀行も対象とし、米国の銀行との取引を断ち、米ドル取引へのアクセスを制限する。共同起草者であるクリス・バン・ホーレン議員(民主党)は26日、中国共産党の「痛いところ」を突くのが狙いだと説明した。
トランプ大統領はこれまではこうした制裁に乗り気ではなかった。これは中国との通商合意を台無しにしたくなかったためだ。昨年11月には香港における人権侵害の責任を負う中国当局者に制裁を科す法案にしぶしぶ署名したものの、その権限を行使したことはまだない。
ただ、新型コロナウイルス流行が状況を一変させた。トランプ大統領は武漢のコロナ流行への中国政府の対応に怒り、「第1段階通商合意」を再考している。
中国政府にとって制裁はレッドライン(越えてはならない一線)だ。これを越えれば米国企業に対する報復的関税を上回る復讐の可能性が高まる。米金融機関への市場開放措置は覆される可能性がある。例えば、JPモルガン(JPM.N)が影響を受けそうだ。JPモルガンは4月、外資制限が撤廃されたことを受け、中国の資産管理合弁会社の完全子会社化を目指すと表明。同国では証券事業も築いている。
中国はさらに、アップル(AAPL.O)やボーイング(BA.N)、クアルコム(QCOM.O)といった米国企業を「信頼性のないエンティティ―リスト」に盛り込むとの脅しを実行する可能性もある。そうなれば各社の事業は制限を受け、ボイコット運動にさらされる可能性もある。
つまり、制裁が発動されれば一定の関係が一緒に断ち切られる可能性があるということだ。関税引き上げの応酬で企業や消費者が受けるコスト増よりも大きな経済・政治的な影響が出てくるだろう。しかし、そうした影響を受け入れる姿勢を米国の政策当局者は強めているようだ。
アングル:トランプ氏6人の側近、対中強硬へ足並み 香港が試金石
Reuters Staff
[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米大統領の中国問題アドバイザーたちは長いこと、強硬姿勢を推す陣営と、慎重な関与を提唱する向きとに分かれてきた。だが、新型コロナウイルス危機が影を落とす中、側近たちはより強硬なアプローチで足並みをそろえつつあるように見える。
中国政府による香港への国家安全法導入の提案が、その試金石になるだろう。トランプ氏の側近が強硬意見で一致しつつあることが、米政府としての対応にどう影響するかが焦点になる。国家安全法を巡っては香港で民主派の抗議活動が再燃している。
トランプ氏はこれまで、対中問題の強硬派と慎重派の間で揺れ動いてきた。しかし今回は、中国政府がさらに法案を進めた場合、1)香港に通商面などで「特別な地位」を与えて優遇する措置を維持するのか、2)香港が世界の金融センターたるのを助けてきた同措置を停止するのか、3)はたまた対象を限った経済制裁ないし関税といったより緩やかな措置を取るのか、を決断しなければならない──。
トランプ氏が大変な労苦を取っている対中通商協議も、こうした中では宙ぶらりんになる可能性がある。
米政府の元職や現職の当局者、議会筋の話では、トランプ氏が11月の大統領選で再選を目指す中、側近たちは香港問題を含め、中国に圧力をかける必要性があるとの方向に意見を合わせるようになっている。米世論調査は米有権者の反中感情の高まりを示している。
ある元高官は「かつては関税についても冷静で、中国が世界第2位の経済大国であることを理解している伝統的な自由市場主義者がいた。その一方で、戦略的な国家安全保障を訴える補佐官らアドバイザーがいた。彼らの間ではっきりと線が引かれていた」と指摘。しかし現在は、「大半の高官が今こそ中国に対し強硬姿勢を取るべきとして歩調を合わせるようになっている」と述べた。
他方で、それほど確信が持てない向きもいる。香港の民主派ビジネスマンの黎智英(ジミー・ライ)氏が設立したネクスト・メディアの米国責任者マーク・サイモン氏は「昨今、米政府から一致したメッセージを得るのは難しくなっている」と語った。
トランプ氏の判断を形作るアドバイザーは次のような面々だ。
◎ポンペオ国務長官
ポンペオ氏は対中強硬派の公式な顔となっている。トランプ氏に忠誠を誓う同氏は、香港の管理を強めようとする中国政府の主張に米政府が何らかの対応をする上で、中枢の役割を担う可能性が高い。ポンペオ氏は国家安全法の動きを香港の高度な自治の「死を告げる鐘の音」と表現した。米国務省は、香港が高度の自治を維持しているかどうかについて、米議会に報告書を提出する義務がある。
◎オブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)
オブライエン氏は前任のボルトン氏よりも中国問題を重視している。トランプ氏の意向に反しないよう注意しつつも、対中批判の論客となった。オブライエン氏は24日、香港に国家安全法が導入された場合、中国が米国の制裁に直面する可能性があることを示唆する最も露骨な威嚇を行った。
◎ポッティンジャー大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)
ポッティンジャー氏は元ジャーナリストで海兵隊出身。新型コロナウイルスの感染流行を巡る情報開示で中国を真っ先に非難したトランプ政権メンバーの1人。中国に対する攻撃的なアプローチの主役とも言える。同氏の中国不信は同国でのジャーナリスト体験に根ざしている。スパイとされ、痛い目に遭わされたのだ。
ポッティンジャー氏はアジア担当の顧問としてトランプ政権入りし、その後に大統領副補佐官に任用された。元政権高官によると「オブライエン氏はどんな人物も副補佐官に選ぶことができたのに、よりによって対中タカ派のポッティンジャー氏を選んだ」。
◎ムニューシン財務長官
ムニューシン氏は長いこと、対中穏健派として発言してきた。しかし中国の新型コロナ対応に圧力が高まる中、同氏はより強硬な措置も辞さない兆候を見せるようになっている。その中には中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ・テクノロジー)への輸出規制も含まれる。香港問題を巡っては同氏は依然、市場の混乱を回避するため慎重な対応を訴える可能性がある。同氏はトランプ氏の娘婿のクシュナー大統領上級顧問に歩調を合わせることが多い。
◎カドロー国家経済開発会議(NEC)委員長
カドロー氏はこれまでは中国に、より慎重な姿勢を取ってきた。しかし今月になって、米連邦政府職員の年金運用機関に対し、特定の中国企業への投資計画を中止するよう求めた。自由市場主義者たるカドロー氏が、今回の香港問題でどう助言するかどうかは明らかでない。
◎ナバロ大統領補佐官(通商政策担当)
著書「中国による死」や同名のドキュメンタリー映画で悪評を得たナバロ氏は、トランプ氏がしばしば耳を傾ける人物としても知られる。香港問題を巡り、中国を厳しく罰するよう圧力をかけると見込まれている。
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