レフト・ベルト


下記はWSJのコラムです。民主党の大統領候補のバイデンは、自らの不人気を自覚しており、それを副大統領候補で補う作戦でしたが、人種差別主義で男尊女卑のバイデンにはハリス氏起用は苦渋の決断だったでしょう。これは、現在の民主党が中道左派から左派へ変わっていることを意味します。


表題の「レフト・ベルト」というのは、西海岸のシアトルからLAまで、東海岸はボストンからリッチモンドあたりまで、西も東も太平洋と大西洋に面した海岸地域の、自称「進歩人」を指し、大学、マスコミもレフトサイドに乗っ取られているのが現在のアメリカです。日本人は西海岸が好きですが、戦前から現在に至るまで、西海岸の進歩人は日本人を諸悪の根源のように思っている反日思想が渦巻いている地域で、ボクはティーンエージャーの頃からウエストコーストが大嫌いでした。西海岸にあこがれる日本人は無知で軽薄です。

さて、ハリス氏を選んだということは、一期しか大統領を務めないと公言しているバイデンの後釜が、「女性」で「黒人」で「超左巻き進歩人」のハリス氏が大統領になることを意味します。はたして‟普通”のアメリカ人がハリス氏を選択するのかどうか。

皆さんに一言。KKK(クークラックスクラン)はご存じですよね?過激な人種差別主義者の団体ですが、KKKを創設したのは民主党ですよ!綺麗ごとしか言わない左巻きの本性をよく見極めましょう。



【社説】副大統領候補にハリス氏起用 党の要求に屈したバイデン氏

 米大統領選で民主党候補に内定しているジョー・バイデン氏は副大統領候補にカマラ・ハリス氏を選ぶことで、党から突き付けられていたチェック表の各重要項目について、賛同の意を示した。その項目は、女性・マイノリティー(社会的少数派)・進歩派(党の左傾化に歩調を合わせる)といったものだ。バイデン氏は接戦州の郊外地域でドナルド・トランプ米大統領を打ち負かす必要があるが、そこでカリフォルニア州選出の上院議員であるハリス氏がどのような役割を果たすのかが、今後の注目点になる。

 バイデン氏が当選した場合、大統領就任時の年齢が78歳と史上最高齢になることを考えると、今回の彼の選択は特に重要だ。生命保険料算定の理論や、彼の頭脳の明晰さの衰えから判断して、バイデン氏が任期をフルに務められた場合でも再選に臨むことはないように思える。バイデン氏への票は、次の大統領になる可能性が高い副大統領候補への票でもある。バイデン氏の選挙キャンペーンの様子や、彼のアドバイザーたちがメディアの質問から彼を守る様子を目にしてきた米国民は、そのことを十分理解しているはずだ。

 ハリス氏の最大の売りは、米国民、特に移民系米国人の上昇志向の象徴だという点だ。彼女の父親はジャマイカ生まれで、スタンフォード大学の経済学教授だ。彼女の母親はインド生まれで、カリフォルニア大学バークレー校の乳がんの研究者だ。

 現在よりも米国の人種面の寛容性が低かった時代だったにもかかわらず、彼女の両親はキャリア面での成功を収め、離婚しながらも娘に成功の機会を提供することができた。ハリス氏はそれをフルに活用した。バラク・オバマ前大統領の場合と同様に、ハリス氏の成功は、米国が抑圧的な人種差別の国だという左派の主張への生きた反論証拠となった。

 その一方で、彼女の政治面の経歴は民主党にとって、独立系の人物や穏健派の共和党員よりは安心感をもたらすだろう。彼女は、カリフォルニア州議会議長を務めたウィリー・ブラウン氏の後援組織内でキャリアを積んだ職業政治家だ。彼女は地方検事を務め、6年間にわたり州司法長官を務め、民主党の大物らから上院議員予備選挑戦の機会を提供されて2016年に上院議員に当選した。これは大統領府入りする人物として十分豊富な履歴とは言えず、外交政策に関する彼女の経験は、サラ・ペイリン氏(2008年の米大統領選挙での共和党副大統領候補)とあまり変わらない。

 ハリス氏は今年の民主党の大統領予備選に出馬したが、中道派候補としてメディアでの評判が良かったにもかかわらず、早い段階で脱落した。

 彼女の予備選キャンペーンの中で最も注目を集めたのは、1回目の討論会での対応だった。彼女は、バイデン氏に対して人種問題のカードを切った際に、1970年代の差別撤廃に向けたバス通学の取り組みの歴史を曲解して攻撃した。この一撃に対して判定役のメディアは感嘆の声を上げたが、ハリス氏の大衆扇動的な発言は露骨なものだった。

 この討論会での攻撃にもかかわらず、ハリス氏を選んだことでバイデン氏は一部で評価を得るだろう。しかし、バイデン氏が、攻撃されたことを理由にハリス氏を避ける選択肢をとっていれば、一層好ましかったかもしれない。有能な大統領であれば、所属政党に自分の特色を受け入れさせる必要があり、その逆であってはならない。バイデン氏はハリス氏を選ぶことで民主党の好みに合わせようとするとともに、同氏が嫌悪するトランプ氏の政治的な安っぽい主張に組みしている。

 地方検事としての経歴は、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)」運動支持の左派の一部にとって懸念となるが、マイノリティーとしての彼女のアイデンティティーはこの懸念を弱めるだろう。ハリス氏は進歩的だが、影響されやすい。彼女は大統領候補として「メディケア・フォー・オール(国民皆保険)」、「グリーン・ニューディール」を支持するのは早かったが、それらがあまりにも過激になり始めるとこれらの構想を撤回した。

 ハリス氏はまた猛烈な党派主義者である。カリフォルニア州司法長官として経営難の幾つかのカトリック系病院の救済案に関する調停案を葬ったが、その理由は米国際サービス従業員労組(SEIU)から反対だった。(連邦最高裁判事に指名された)ブレット・カバノー氏の上院における審議において、ハリス氏は最も厄介な質問者の1 人だった。上院のハードルは高いものである。ハリス氏は、ロバート・モラー特別検察官が担当した「ロシアゲート」疑惑に関し、何の証拠も示すことなしにカバノー氏が密かに協議していたと示唆する見解を示した。また大統領候補としてハリス氏は、トランプ氏と激しい討論ができれば嬉しいと表明した。

 バイデン氏はハリス氏を選ばざるを得ない窮地に追い詰められていたのかもしれない。バイデン氏は女性を選ぶと約束して自らの選択肢を狭め、サウスカロライナ州での大統領候補指名獲得争いでバイデン氏を救った黒人の民主党員は、副大統領候補として黒人女性を選出するよう要請していた。そしてバーニー・サンダース陣営は進歩的な候補を要求しており、バイデン氏にとりハリス氏は、エリザベス・ウォーレン氏よりもはるかに安全な選択肢となっていた。

 その意味で副大統領候補にハリス氏を選択したことは、バイデン氏の立候補が、異例の類いのものであることを浮き彫りにした。バイデン氏は指名争で、自滅な選択となるサンダース氏に代わり得る最後の反トランプ候補として指名を獲得した。バイデン氏は、近年のどの指名獲得者と比べても、党首というより名ばかりのリーダーといえる。ハリス氏を副大統領候補に加えることで、バイデン氏への1票が単にトランプ氏を政権から追い出すためのものでないことが明確になった。それは民主党を現在支配する沿岸州の進歩派たちへの1票である。